THE PROM NETFLIX版 映画館で見てきた
NETFLIX版のTHE PROMを映画館で初日に早速みてきました。
次の日に24時間経たずにおかわりもしてきました。
もしかしたら今日もまた見に行くかもしれないなぁと思いながら書いていたのですが、やはり行ってしまいました。すでに3回見てます。
ネタバレもあるので、まだ見てない方は読まない方が良いと思います。
リピートするぐらいなので、やはり大好きな作品の世界観とメッセージが反映されていて安心しました。
大画面の良い音響で見るのをオススメしますので、映画館で見れる方は見た方が良いです。
そして、泣きました。やはり。
作品のテーマを改めてしっかり理解できて。
色々な人に見てもらいたい作品だなと改めて思いました。
そもそも舞台を見ているから、何が違うとか偉そうに分析しようとも思いましたが、
あまりそれは意味がないのかなと思います。
見ていて思ったのですが、今、色々と世界の価値観が分断されている中で、
この物語は今、必要だと思ったから、Ryan MurphyがNETFLIXという最高なプラットフォームを使って映像化して、世界配信して、この物語が必要と思われる人々に届けてくれているのだと改めて思いました。
豪華なキャストもそれに賛同して参加してくれているのだと思いますし。
この映画をきっかけで色々な立場の人のことを考えてもらえればいいなとも思いました。
基本的に大きな違いもないし、ミュージカル版を大いに尊重して、継承して、映像用にブラッシュアップされていました。元々の舞台版がしっかり作り込まれていた証だなと。
話のテンポ上、2曲ほど途中でカットされていました。
そのうちの1曲が、The Acceptes Songだったわけですが、
舞台のグッズで買ったWE'RE ALL LESBIANS Tシャツを、公開初日にノリノリで着ていきました!
The Acceptes Songではブロードウェイからの使者たちが皆でエマに対し連帯を表明してこのTシャツを着て歌うのですが、
Tシャツがでるまでもなく、Dee Deeの歌い出し直前ですぐにカットされていましたね。
張り切って着て行った意味が(笑)!!
でもカットは英断だと思います。
あのナンバーは舞台で舞台好きの観客が見たら面白いと思うのですが
めちゃくちゃダサさも含めて、私大好きなんですけれど。
映像で延々とやられても普通のお客さんは結構キツイと思うので良い判断だなと思います。あのバッサリ感。
ただニコール・キッドマンのレオタードの衣装のお尻からレインボーの幕が出てくるのは見たかったですけども。
あの衣装でゴリゴリ登場する舞台版のAngieさんの役者魂も私は大好きなんですけど。
舞台版を映像化すると、舞台で表現できなかったことを忠実に表現する事ができるんだなとは思った点で良かったところは、
EmmaがインターネットでUnruly Heartを歌い、それにコメントするインターネットの生徒たちや、最後のプロムにやってくる若者たちがまぎれもないLGBTQ+のコミュニティの人々が映し出されていて、舞台版よりとてもリアルに視覚化されていて
オォおおおおおおおおおおおお!!!という感じで鳥肌が立ってテンションが上がりました。
あと今回舞台を見ているのであえて思う事は、
舞台は歌のナンバーの場合、基本、歌っている方の歌唱の表現で魅せられるわけですが、映像の場合は歌っている人を映しているだけでは間延びしてしまうわけで、色々と説明的な映像を挿入するということと、終わり方が話のテンポを崩さないように次の流れもあるから、さらっと歌って終わってしまうのだなと。
舞台は歌い上げて、皆の拍手で終わるというそれぞれのナンバーの積み重ねがあって、演者とお客さんとで高め合って物語のフィナーレに持って行くのに慣れてしまっていて、映画は、流れとテンポを大事にして繫いでいくので、サラッと終わってしまい、拍手できない寂しさが。拍手を我慢しながら見ている私がいました。
それと舞台にはなかった点はこんな感じかと。
- Alyssaのスクールカースト上位濃厚説。
- Emmaのおばあさまが実際に登場。
- Dee Deeの元旦那さんとの関係から垣間見える孤独なスター像。
- Barryとお母様の和解。
- Alyssaへのカミングアウトに関してのAlyssaの母Mrs.Greenの超速での理解。
1.ですがAlyssaの登場シーンがチアリーダー姿で登場。
アトランタでのトライアウトverに戻っていますね。
今回の映像化でアトランタver とブロードウェイver の良いところどりをしていて、Alyssaが確立された感があります。
アトランタverのAlyssaはチアリーダー姿でほぼ出ていると思うのですが、
関係性的に、自分に正直で偽りのないEmmaの事が好きという表現が弱い気がします。
チアリーダーで、スクールカーストの頂点に立っているけれど、本当はそういう自分ではないという悩みを持っている女子高生だと思うのですが、その部分が弱いなと思っています。
ブロードウェイ版のAlyssaは逆にその弱い部分をフィーチャーしている気がします。
だからイケイケのチアリーダー姿での登場シーンが一切ないですし、彼女は真面目で、親をしっかり立てて、でもEmmaの事も好きでという内面をしっかり表見していたと思います。
少し余談になるのですが、
ブロードウェイ版のAlyssaを演じたIsabelleはアトランタ版ではAlyssaのアンダースタディでした。普段はアンサンブルで舞台に立ち、スキル面や演技面でおそらく製作陣に気に入られて、ブロードウェイでのAyssa役を勝ち取ったのかなと思います。
彼女がインタビューで自分の役のAlyssaがレズビアンで有色人種の女の子である意味の重要性について聞かれているときにこう答えています。
確かに責任があることだと思うし、それぞれ違う個性のレズビアンが2人出てきて
お互いを尊重しているし、それぞれ皆個性も違う。
オーディションで、自分の見た目の人種でキャスティングされる事が多いが、
Alyssaを演じる事で好きなの理由の1つは、彼女についてのキャラクターに人種は一切入っていない。人種としての振る舞いをする必要はない。と述べています。
彼女がAlyssa役を勝ち取ったのはやはり彼女の演技面が大きかったのではとこのインタビューを見て、思いました。
そして、完全に勝手な推測すぎる考えなのですが、演出がCasey Nicholawなので、
Promのアトランタのトライアウトを終えて、アラジンのジャスミンでブロードウェイデビューしているのも、アラジンでも演出しているCaseyの推薦があったからではと思っています。そして、ブロードウェイ版のAlyssaに決まったのではと思っております。
この2つ上演verのAlyssaをうまくミックスさせたのが、今回のNetFlix版のAriana Debose演じるAlyssaかなと思いました。
Alyssaの完成形ができてる!って思いました。
そして、12月に発表されたForbesの影響力のある30歳以下の30人2021にAriana Deboseが見事ハリウッド&エンタのジャンルで選ばれております。
もう舞台の人ではなくなってしまうんですねと勝手に推測。
かなり若い頃からブロードウェイで舞台やっているのに、私はタイミング合わずでみれていないのですよね。BRONX TALE見たときは離れた直後だっだし。ドナサマーはおそらくストプレなどを優先してしまったんだなと。
しかし、大型待機作品スピルバーグ版WEST SIDE STORYのAnita役、期待でしかないなと思っております。
3.のDee Deeに関しては、Barryとの関係性も表現しつつ、Barryのお母さんとの和解の手助け手段の一つであるのと、Dee Deeの脆さ的なものもある程度置いて描いておきたかったのかなとも思いました。メリル大先生が演じるわけなのでとも思いましたけれども。人間味のある部分も描きたかったのかなと。
舞台版ではそこまで気にならないのは、チャーミングでもあるBethさんの一挙手一投足が愛おしいからあまり思わなかったからかなと勝手に思っております。
舞台は笑いの要素が強めで、観客にどんどん笑ってもらう演出ですし。
Dee Deeに関しては、わかりやすく作り込んでいると思いますし。
舞台の作り方としてはライブ感が強くでるので、お客とのやり取り的なものもあるので、その辺は映像では如実に嫌な感じに出てしまうのかなとも思ったり。
Dee DeeとBarryの関係性を見せるシーンがシーンとシーンの繋ぎになっているのも、印象的。
ただ1点追加させてください。
舞台版のDee DeeことBeth LeavelさんとBarryことBrooks Ashmanskasさんのこのブロードウェイフリマでの何気ないショット。最高じゃないですか。
これがまさに映画で描かれている2人の関係性。
舞台上でなくても滲み出ていて、最高だなぁと思ってしまう写真です。
そんな2人から生まれたキャラクターであるのを忘れたくないなと思います。
4.のBarryとAlyssaとの母親の理解をこの物語のエピソードとして結構なところに入れてきましたなぁと思いました。
その話まで持ってくるのであれば、James Cordenお芝居頑張ってくれよ!!
と思ってしまいました。
late late showにおけるあの煌めきが、全然なくなってしまうのはなんででしょうかね。。。
まぁ芝居が上手いわけではないんだなぁと今回改めて思いました。
彼の演技次第でおそらく感動的なエピソードになったであろう気がするのですが、あまり感情移入できず。
5.はありだなと思いつつも、早すぎる展開に戸惑いを覚えていたりします。
Kerry Wahingtonが理解ある母親に見えてしまうとキャスティングの時思ったんですけど。
まさか、それがこういう結果になるとは。
確かに物語的には良いなとは思いますが、舞台版のように、少しのやりとりでしたが、いづれ歩み寄るんだろうけど、色々と完全に理解してもらえるまでは時間が多少かかるんだろうなという感じでもよかったのではとも思いました。
フィナーレが大いに関係してるんだろうなと思いますが。かなりのご都合主義なハッピーエンディング感も否めず。
でも、舞台版で見られなかった、Mrs.greenとEmmaのハグはある意味その後としてみたいシーンだったので、ありがたいといえばありがたいサービスショットだなぁと。
エンディング全てがハッピーであるというのも良いわけなんですが。
4.5.によって、逆に際立つのが、両親に突き放されたままのEmmaちゃんです。
強すぎだろうと思ってしまいました。
彼女の強さはどこからくるのかを逆に考えまくってしまって。
ずっと笑っているし。とにかく、Netflix版のJo Ellen Pellmanちゃん最強説浮上。
映画だとカット割もあるし、クローズアップが多いし、表情勝負になるんだけれども、
彼女の場合はこの豪華キャストの中に自分がキャスティングされ、どうすりゃいい?的な巻き込まれ方も含めて純粋無垢な感じで存在している感じが出ているのが良いのかなという考えに至りました。
対して舞台版のcaitilinは繊細さと強さが全身から感じられるんですよね。
繊細だけど、しっかりした芯もあって。
意思がはっきりとあるなぁと。
その強さが舞台版でのEmmaの魅力かなと。
そのEmmaをしっかり実は受け止めていたIssabelle演じるAlyssaだったんですよね。
だから私はやはり舞台版のEmmaとAlyssaのケミストリーは最高だなと思いました。
Netflix版の2人もやはり映像的に映えていてとても良いのですが。
空気を一緒に感じてしまっている舞台版がどうしても勝者になってしまうのはしょうがない事ですよね。
舞台は自分の視点で色々感じられるので、かなりの自分の指向が強くなりがちかもしれませんが。
比べても意味ないと言いつつ。
けっこう分析してしまいました。
それぞれの良さを噛み締めつつ。
大好きな作品である事は間違いないので。
これからも舞台版はもちろん
Netflix版も愛でていきたいです。
コロナで延期されてるNATIONAL TOURが始まったら、どこかの土地でサッカー観戦とセットで観に行きたいなぁと。
舞台が猛烈に恋しくなりました。
ブロードウェイ行きたい!!!